日本は世界唯一の新興衰退国?

以下は、ライブドアhttp://news.livedoor.com/topics/detail/5134876/
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■日本は世界唯一の新興衰退国?
まずはマクロな視点からです。ここではGoldman Sachsが比較的最近発表した指標で日本の地位を見ていきましょう。1990年、日本は名目GDPで世界の14%を占めていましたが、2007年には8%まで低下しています。そして2030年には4%、2050年にはさらにその半分となる2%までシェアを落としていくというのがGoldman Sachsの見立てです。

ちなみに2030年の4%という数字は1ドル100円ベースで換算するとちょうど510兆円になります。ここ15年の名目GDPは約500兆円前後ですから、Goldman Sachsは2030年まで日本経済が名目ベースでほとんど成長しない、あるいは一度成長するがまた縮小するのではないかと予測をしている訳です。それが真実かどうかはこれから20年間にわたる私たちの頑張り次第ということになると思いますが、とにかく外資系の金融機関はこう見立てていますよということです。

また、特に欧州のメディアは、日本を表現するにあたって、「新興衰退国(Newly Declining Country:NDC)」なる言葉を使うようになりました。私はこの言葉を初めて目にしたとき、あることに気が付いて無性に腹が立った記憶があります。それは“Newly Declining Country”という表現。単数形になっているんですよね。つまり日本一国だけということです。日本は海外からそんな風に揶揄されるところまできてしまった。これまで「失われた10年」と言っていたものが15年になり20年になり…、外から見るとそれだけ無策であったように見られているということだと思います。

もちろんこれは量の話です。たとえば中国があれだけの人口で、かつあれだけのスピードで成長していれば、いずれ量で抜かれるのは仕方がないだろうという捉えかたはあります。実際のところ、2010年には名目GDPで抜かれる訳ですから。ただ、問題は量の話だけでない。「質はいまだに世界一流だと、本当に胸を張って言えるのですか?」という問いかけが生まれているのだと思っています。

世界経済フォーラムが毎年発表している世界競争力指数を、バブルのピークであった1990年と足元の2009年で比較してみましょう。これを見てみると、シンガポールのような新興国がランキング外から入ってきている一方、先進国はずるずると順位を落としています。その分析自体はよくあることですが、米国の競争力は後退していませんよね。日本は残念ながら8位です。

ここでは併せて、同ランキングのなかで日本のどの分野が世界からいまだ評価されており、どこがだめだと思われているのかも詳しく見てみましょう。まずビジネスの先進度(business sophistication)では、まだ1位です。自信をなくしている最近のビジネスマンからすると「何故こんなに高いのか?」と、少々違和感を持つと思います。しかし、日本には世界一厳しい消費者がいる訳ですし、その要求水準にしっかり応えて細かい差異化をしていくような戦いかたにおいては、日本企業はいまだに強いということです。その一面を見ればものすごく洗練されたビジネスが出来あがっている。これはある意味、BtoBの領域でも同じことが言えるでしょう。

イノベーションについても同様に高い評価を受けており、4位です。新しい技術の種も依然としてたくさん出てきているということですね。問題なのはその技術を活用するフェーズです。イノベーションは4位なのに技術活用は25位。これは何を意味しているか。せっかく良い技術があるのに、それで稼ぐことが出来ていない、あるいは産業として確立させることが出来ていないということです。なかなか世界は客観的に見ているなと思いますね。あと、個人的には高等教育および職業教育が23位、金融市場の成熟度が40位、政府が28位というのも大変気になるところです。

いずれにせよ我々が世界において一流国であり続けようとしたら、質の面でこのような低い評価を受けているという事実を放置しておくべきではありません。まずはこれを大きな問題提起にさせていただきたいと思います。ここまでがマクロです。次はミクロの視点からいくつかのデータを見ていきましょう。

■電機業界とビール業界に見る日本の低迷

まず、リーマンショックまでは日本に外貨を稼いでくれる二本柱のひとつであったエレクトロニクス産業における、大手企業の業績と時価総額をそれぞれ見てみましょう。リーマンショック以降の混乱を避けるため、ここでは比較的事業環境が良好だった2007年までのデータを見ていきます。

キヤノンを例外として、日本企業は営業利益率も売上高成長率も総じて大変低いことが分かります。営業利益率で言えば勝ち組と言われる世界のグローバル企業は、この時期10%を超えて15%前後の水準を維持していますし、売上高成長率も海外競合のほうが高い。日本を支える産業であったはずですが、海外の競合には大きく見劣りしています。

さらに産業構造ビジョン2010の議論で用いられた経産省の分析も見てみましょう。まず主要な製品セグメントの世界市場が2001年から2007年までどのように伸びているかを見てみると、多くの製品カテゴリーで市場規模が3倍~5倍に伸びていることが分かります。しかし日本メーカーの同じ製品カテゴリーにおけるシェアは、それに反比例するように右肩下がりとなっている。成長する世界市場に、日本企業はまったく同期出来ていない。そんな姿が見てとれます。

これは電機業界だけの話かというと、そんなことはまったくありません。次は食品業界における一大セグメントである酒類・飲料市場を見てみましょう。

2008年の世界ビール市場を見てみると、1位はベルギーのAnheuser Busch InBev(以下、AB InBev)。本日詳しくご紹介するビール会社です。ちなみにAB InBevをご存知の方はどのぐらいいらっしゃいますか? …比較的少ないですね。InBevについて簡単にご紹介しておくと、2004年にベルギーとブラジルのビール会社が合併して誕生した企業で、本社はベルギーにあります。2008年には時価総額で当時世界3位だったアメリカのAnheuser Busch(アンハイザー・ブッシュ)を吸収合併しました。Anheuser Buschは「Budweiser」をつくっている会社です。こちらはご存知ですよね。たった4年間でこの3社が合体した結果、圧倒的な世界No.1の地位を獲得したという訳です。

2008年現在の2番手はSABMiller。こちらも聞いたことはないかもしれませんが、SABというのは「South African Breweries」の略。もともとは南アフリカのビール会社でした。このSABがアメリカのMillerを買収して誕生したのがSABMillerです。そして3位、4位には、みなさんもよくご存知のHeineken、Carlsbergが続きます。業界構造が10年で大きく動いてきたのがビール業界の実情です。

各社の営業利益率を見てみると、AB InBevはなんと26%。また、売上高成長率は過去10年で年率20%です。年率ですよ。2位のSABMillerにしても年率20%というスピードで成長してきました。世界のトップ2社がこのように売上を伸ばし続けているなかで、日本の大手はというとキリンにしてもアサヒにしても営業利益率は10%弱で成長率はひと桁。これが2008年までの状況です。

こういった状況があるからこそ、ここ2年ほどはキリンやアサヒ、あるいはサントリーが色々な形で海外展開しているという現状に繋がっている訳です。危機感はそれぞれ持っているんですね。国内中心の事業展開を続けて、今のままの成長スピードで、果たして我々は生き残れるのかと。

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