Archive for 11月, 2010

必要なのは、明治維新ではなく、1940年体制との訣別

月曜日, 11月 29th, 2010

以下は、ライブドアで見つけた記事
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逍花 提供:月明飛錫
2010年11月29日02時32分

今日、11ヶ月間続いた『龍馬伝』が、最終回を迎えた。一般的にはわりと盛り上がっていたようだが、個人的には、いまひとつ入り込めないところがあった。

なぜなのだろうと考えてみたところ、いまの日本に求められているのは、明治維新ではないと感じているからだ、という結論に至った。

例えば、大政奉還後、慶應3年11月に、新政府の基本方針を示すために坂本龍馬が自ら書いたと言われている「新政府綱領八策」。日本を近代化することによって世界国家の仲間入りを果たすという、明治維新の原点が示されている。

こちらが実物の画像↓
国立国会図書館「史料に見る日本の近代-新政府綱領八策」  

簡単にいうと、第1義と第2義では人材の登用、第3義では外交、第4義では憲法の制定、第5義では議会の設置、第6義では陸海軍の設置、第7義では近衛兵、第8義では為替レートについて書かれている。

今の日本では、ここに書かれていることは、実現されている。少なくとも、生まれながらの身分が問われて、何かの職業につけない人はいないはずだ。封建制から民主主義への転換はすでに終り、家父長制が強かった明治時代と比べても、いまの日本人は、はるかに自由を謳歌している。

しかし、今の日本は閉塞感に覆われており、イギリスのエコノミスト誌に、「東のアルゼンチンになる」、「イースター島になる」と書かれても、正面切って反発する人は少ないように見受けられる。むしろ、衰退国としての将来を、甘んじて受け入れている人が多いのではないだろうか。

日本の開国は、移民と一部の農作物の輸入を除くと、制度的にはある程度行われているといえる。それでも日本人が内向き志向になり、リスクをとらなくなった理由は何かと考えるべきだろう。

私は、明治以降の日本には、明治維新に匹敵する転換点があったと考えている。それは、野口悠紀雄さんのいう「1940年体制」である。

終身雇用や年功序列を特徴とする日本型企業、間接金融中心の金融システム、平等主義などは、日本特有の社会・経済システムであるとしばしば考えられている。しかしこれらは、昔から存在していたのではなく、総力戦遂行という特定の目的のために導入された特殊なシステムだった。それ以前の日本は、株主優先の会社、非終身雇用、直接金融中心であった。そして、第二次世界大戦に勝つための「1940年体制」という国家総動員体制は戦後も続き、それが高度経済成長期をささえ、さらにはそれが現在の日本経済の足を引っ張る要因になっている。これが、野口悠紀雄さんの著作『1940年体制 さらば戦時経済』の主張だ。

戦争遂行という国策のためには、「利益」よりも「生産」が重視された。儲からないから、兵器は作りません、では戦えない。重要な資源を国が統括して、戦争遂行のために配分した。日本の製造業の大きな特徴である下請制度も、軍需産業の増産のための措置として導入された。今では、大企業を中心とした企業グループが、1つの企業のようになっている。

戦後は、1940年体制によって確立された金融システムが、基幹産業と輸出産業に資金を重点的に配分することによって産業構造を大きく変化させた。これらの金融システムは、大企業と金融機関中心に組み立てられており、貯蓄の供給者である家計は、本来得られたはずの利子所得を得られなかった。それでも高度成長期は、全体的に賃金水準が上昇したため、家計に経済成長の果実が還元された。

このことは「会社中心主義」につながり、多くの「会社人間」を生み出し、彼らは会社と運命共同体となり、企業の存続が最重要の課題になった。

現代では、IT化とグローバル化で、これまでのビジネスモデルが陳腐化し、新しい産業への人材供給、企業間での人材移動の必要性が高まっているにもかかわらず、人材の流動化を円滑に行うような政策は実行されていない。これは、1940年体制の基本的な理念である、「生産優先主義」と「競争の否定」から脱却できていないのが大きな理由なのではないだろうか。

「生産優先主義」とは、生産力の増強がすべてに優先すべきであり、それさえ実現されれば、様々な問題が解決されるという考えである。

競争の否定」は、この体制が、あるひとつの目的のために国民が一致団結して働くことを目的としているため、チームワークと成果の平等配分が重視され、競争は否定される傾向にあることだ。産業でも会社でも、脱落者を発生させないことが重視された。

「経済成長」という総力戦でうまく機能したシステムは、「変化」に対応できず、閉塞状況に陥っている。今の日本の将来を描くために必要なのは、「1940年体制」を脱ぎ捨てることだ。
日本が明治新国家を建設したとき、近代化を進め世界の大国と肩をならべるという目標があった。1960年代の高度成長期にも、夢があった。

今の日本では、残念ながらそうした夢を見出せないでいる。しかしグローバルに見ると、「古い企業から新たな企業へ」、「製造業から知識産業へ」、「組織から個人へ」の移行が始まりつつある。

こうした環境の変化をふまえ、「生産優先主義」と「競争の否定」から訣別し、「消費者優先社会」を実現するべきだろう。

ブラジル高速鉄道、入札延期を要求 日仏勢再参入促す

金曜日, 11月 26th, 2010

以下は、今日の日経の記事
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 【サンパウロ=檀上誠】29日に予定されているブラジル高速鉄道の入札を巡り、政府に対して延期や中止を求める動きが急速に高まっている。日本やフランスの企業連合は現時点の条件では応札しない方針を固めている。政府は26日に延期の是非について最終判断する。
 25日はブラジルの鉄道工業団体が、高速鉄道計画を管轄する陸運庁長官に入札の6カ月延期を求める文書を手渡した。同様の要望は建設業界などからも上がっている。韓国勢以外に応札を明確にしているグループがないため、延期と事業計画の見直しで日欧企業の再参入を促すのが狙いだ。
 一方、ブラジル司法省は25日、政府が示した入札資料に欠陥があり「国庫に重大な損害をもたらす可能性がある」として、入札手続きを直ちに中止するように求めた。事業費の積算資料に電力供給計画が含まれていないなどと指摘。入札日の29日までに改善策を提示するように求めた。
 ルラ大統領は25日午後、パソス運輸相ら関係者と延期の是非について協議。会談後、パソス運輸相は「検討中で何も言えない」と語り、予定通りに入札を実施するかどうか明言を避けた。
 ブラジル高速鉄道計画はリオデジャネイロ―サンパウロ近郊間(約510キロメートル)を結ぶ。29日に入札が締め切られ、結果は来月16日に発表される予定。
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応札するのが韓国だけになってしまっては、上のようになるのが自然であろう。

リニア前倒し検討、相模原―甲府間で先行開業

金曜日, 11月 26th, 2010

以下は、読売新聞の記事
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 JR東海が、2027年に東京(品川)―名古屋間の開業を目指しているリニア中央新幹線計画を前倒しし、神奈川県相模原市―山梨県甲府市周辺の区間で先行開業を検討していることが23日、明らかになった。

 開業時期は20年前後を見込んでおり、先行開業で得られる運賃収入で建設費回収を早める狙いがある。

 JR東海は、山梨県内の実験線を現行の18・4キロ・メートルから42・8キロ・メートルに延伸する工事を進めており、実験線を営業線に格上げして、先行開業を目指す。乗車時間は15分程度を見込んでいる。
(2010年11月24日03時04分 読売新聞)

ベトナム、MRJを購入?

金曜日, 11月 26th, 2010

以下は、共同通信配信の記事

http://www.47news.jp/news/2010/11/post_20101124223401.html

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越国家主席が国産ジェットに意欲 日本の投資拡大要請

 【ハノイ共同】ベトナムのグエン・ミン・チェット国家主席は24日、ハノイで共同通信と会見し、日本の国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」を国営ベトナム航空に導入する計画について「協力の潜在性は非常に高い」と述べ、早期導入に強い意欲を示した。導入が実現すれば、アジアの新興国に対する国産ジェット売り込みの初のケースとなる。

 また、ベトナムへの海外からの投資に関し「日本は主導的役割を担ってほしい」と述べ、日本企業の投資の一層の拡大に期待を表明した。チェット主席はベトナム共産党内の事実上の序列第2位の実力者。

 チェット主席はMRJについて、現在運航している他の国の航空機に比べ「航続距離が長く、より多くの乗客が搭乗できる」などと指摘、南北に国土が長い国情にも適しており「ベトナムの要求を満たしている」と高く評価した。今後の交渉では「価格と、ベトナムでの部品生産に向けた技術移転」が課題と述べた。

 MRJは三菱重工業と子会社の三菱航空機が開発を進めており、全日本空輸と米地域航空会社から計125機を受注し、2012年に初飛行する計画。

 会見には共同通信側から石川聡社長が出席した。
2010/11/24 22:36 【共同通信】

中国の経済成長データは半減してもまだ水増しされた状態?

金曜日, 11月 26th, 2010

以下は、大紀元日本8月3日の記事
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中国人民銀行の易綱(イーガン)副総裁は7月30日、国内メディアのインタビューに、「経済成長の質にいろいろな問題が存在しているにもかかわらず、中国はすでに日本を超え、世界第二の経済大国となった」と話した。数字で裏付けされていない同氏の発言に、多くの専門家が疑問を呈した。

GDPの指標は実質的な意味を持たない

中国の著名な経済学者・劉正山氏は、「中国経済の全体的な構造が整っていない状況下で、GDPを唯一の評価指標とするやり方は、各省の政府にひたすらに GDPの成長を追求させてしまう。GDPの数字を大きくする最も有効な方法として、投資を拡大するほかない」と中国の経済状況を注釈した。

中国社会科学院金融研究所の易憲容(イーシェンロン)研究員は、近年の中国GDPの急成長は、主に不動産市場の急成長からきたもので、バブルを含んだGDPの高さを追求しても意味がないとコメントした。

「GDPの成長はいったい何の役に立つのか?何のためにGDPの成長を追求するのだろうか?政府の面子のためか、それとも日本を超えるためだろうか」と同氏は疑問を投げかけた。

「小日本」の大と「大中国」の小

「大」を追求しがちな中国人は、日本のことを「小日本」と呼び、自分の「大」に誇りを持つ。この傾向は経済報告書の中でも窺える。

中国社会科学院は2006年1月に国際情勢白書を発布し、総合国力のランキングをリストアップした。中国は第6位、日本は第7位となっていた。

言い換えれば、中国経済の総価値では日本に及ばないが、総合国力では日本を超えている。中国経済総量がイギリスとフランスを越えた後、経済大国と自称する中国は世の中に次のような幻覚を与えた:世界第二の経済大国・日本を超える。

実際の状況はどうであるか。資料によると、日本経済は20世紀の60年、70年代からテイクオフし、GDPの年平均成長率は連続18年間10%以上を維持。80年代中期になると、はじめて旧ソ連を超え、世界第二の経済大国となった。同時に日本の一人当たりのGDPが初めてアメリカを抜いた。

90年代に入ってからバブルの崩壊と共に経済が停滞状態に陥ったが、2004年の日本のGDPは4万6234兆ドルで、一方、中国は1万9317兆ドルに留まっており、日本のGDPは中国の2.4倍となり、一人当たりに換算すると、日本は世界5位、中国は世界107位で、日本のわずか30分の1であった。

財富分配の公平性の角度から見ると、G7の中で日本は貧富格差の最も小さい国であった。日本のジニ係数はわずか0.285で、日本は十数年で西洋列強を追いつき、しかも経済総量と一人当たりの両方の指標で西洋列強を超えた。一方、国連の統計によると、中国は今でも依然として2.35億人が貧困線以下で生活しており、18%の中国人は一日の生活費が1ドルにも満たない。中国の都市と農村部間の格差は6:1で、世界記録を更新するほどの開きだ。

中国は日本を抜いて世界第二の経済大国となったという発表に、最も興奮を覚えるのは共産党高官と成金富豪たち。中国経済改革の犠牲者となった弱者にとっては全く無関係な話だろう。

実は鄧小平から江沢民、さらに胡錦涛へと交替してきた中国共産党は、既得権益を保つために、「(政権)安定第一、GDP第一」の畸形改革を行い、いわゆる経済の高度成長に至った。

各種の統計データによると、中国経済の高度成長の裏には債務の底なし沼がある。各級政府の財政赤字、国際、社会保障の借金と金融不良債権を全部あわせると16兆元あまりだ。この巨額の債務を中国最下層にいる国民たちに負担させている。富の公正性から言うと、「小日本」の大がさらに「大中国」の小を際立たせる。

経済成長データを半減してもまだ水増し

アメリカピッツバーグ大学のトマス・G.ロウスキ(Thomas G. Rawski)経済学教授の研究によると、中国の実際の経済成長率は、公表した数字の3分の1にも及ばない。中国で著名な郷鎮企業家の孫大午氏によると、かつて中央高層に面会した際、「中国の経済成長データは半減してもまだ水増しされた状態」と直言したことがあるという。

アヘン戦争前の清政府の経済は世界経済の3分の1を占めていた。1900年になると、中国経済の世界経済に占める割合は6.2%まで下がっていた。約100年後の1997年になると、その割合はわずか3.5%である。現在、経済データを見ると、中国経済は大躍進しているように見えるが、実際のところ、中国のGDPはアメリカの9分の1に過ぎず、中国の全体的な経済規模は、アメリカのニューヨーク州に相当する程度である。

中国共産党政権がGDP成長率を盛んに吹聴する背後には、ほかならぬ二つの目的が挙げられる。ひとつは、国民に当局の統治能力を認めてもらうためである。一旦中国経済の真相が国民に知れたら、全面的な経済危機が起こり、中共政権に壊滅的な打撃を与えかねない。

もうひとつは、外国の投資を引きつけるためである。外国の投資を利用して、脆弱となった国内経済を支え、同時に、西側社会を制裁したり誘惑したり、台湾および台湾を支持する西側社会を脅かす。その結果、西側社会は現在の中共政権を制裁する勇気を持たず、現行の中共政権を存続させざる得なくなるのである。

(翻訳編集・張SY)

バチカン、中国政府任命の「司教」を破門

木曜日, 11月 25th, 2010

以下は、読売新聞の記事
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【ローマ=柳沢亨之】バチカン(ローマ法王庁)は24日、バチカンが認めない中国政府公認の教会「中国天主教(カトリック)愛国会」により同国河北省承徳の司教に任命された郭金才神父を破門した、との声明を発表した。

 破門は現行の教会法上、最も重い刑で、中国当局に改めて強く抗議した形だ。

 教会法では、「無許可で任命された司教は自動的に破門」と規定している。

 声明はまた、バチカンが今年、中国当局に対し、郭神父の司教任命への反対を「数回にわたり、明確に伝えていた」と強調。今回の任命を「法王への侮辱だ」と非難した。

(2010年11月25日18時17分 読売新聞)

中国、エアショーで無人爆撃機を公開

火曜日, 11月 23rd, 2010

以下は、朝鮮日報で見つけた記事
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中国、エアショーで無人爆撃機を公開
無人爆撃機の技術を集約、軍事大国への跳躍を試みる
 中国が自国で開催したエアショーで無人爆撃機(WJ600)を初公開し、西側諸国の注目を集めた。

 今月16日に広東省珠海で開幕した「第8回中国国際航空宇宙博覧会」に参加した西側諸国の軍事専門家たちは、無人爆撃機WJ600を見た瞬間、舌を巻いた。経済大国を越えて軍事大国を夢見る中国の、驚くべき航空技術を目の当たりにしたからだ。WJ600には、米国やイスラエルの専売特許と思われてきた無人爆撃機の技術が集約されていた。

 米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は19日、「中国が、軍事航空の未来と見なしてきた無人航空機(UAV)の生産に拍車をかけている。技術開発の面で米国やイスラエルに追いつこうと、野心を見せている」と報じた。

 軍事専門家たちは、中国が今回のエアショーに無人爆撃機を出品するとは思っていなかった。とりわけ、UAV開発の分野で突出した技術を保有する米国とイスラエルは、中国の無人爆撃機の「奇襲出品」に対し、警戒心を隠しきれない様子だ。

 珠海エアショーで初披露されたWJ600はジェットエンジンを搭載し、ミサイル数発を発射できるように設計されていた。さらに、ジェットエンジンやプロペラで飛行する米国空軍のUAV「プレデター」や「リーパー」に比べ、機動性が優れているとみられる。米国は、中国航天科工集団公司(CASIC)が開発したWJ600の実物が完全に公開されたわけではないものの、ジェットエンジンやミサイルを装備できるという点で、懸念を示した。中国は今回のエアショーで、WJ600を含む25種類のUAVモデルを公開し、UAVの展示数も、過去最多となった。

 WSJは、「中国はこれまで、民間と軍事の分野で先進航空技術の導入や合弁会社の設立を通じ、UAV開発に心血を注いできた。これは、経済成長に合わせて軍事大国として跳躍しようという試み」と報じた。

萌えキャラ『日本鬼子』に続き『小日本』が決定

火曜日, 11月 23rd, 2010

以下は、ガゼット通信で見つけた記事
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萌えキャラ『日本鬼子』に続き『小日本』が決定 日本人が萌えちゃってどうするの?
• 2010.11.23 10:00:43

『日本鬼子って萌えキャラ作って中国人を萌え萌えにしてやろうぜ まとめ』というwikiに新たなキャラクターが公開されている。そのキャラクターは『小日本』と書き「こひのもと/こにぽん」と呼ぶキャラクター。
これは中国や台湾が日本人に対する蔑称として使う言葉。この蔑称を『日本鬼子』同様に萌え化するプロジェクトが10月下旬から進行していたのだが、ようやくデザインが決定されたようだ。ミニ着物を着ている『小日本』は『日本鬼子』の妹という設定。武器は姉の薙刀(なぎなた)に対して『小日本』は身の丈ほどの日本刀を持っている。
この『小日本』の登場により日本人の創作意欲が更に芽生えることは間違いないだろう。今後予想できることは、『小日本のテーマソングを作ってみた』、『小日本のテーマソングを歌ってみた』、『pixivで小日本のイラスト大集合』、『コミケで同人誌販売』などだ。
どういう方向にメディア展開されるかわからない『日本鬼子』と『小日本』だが、中国人よりも日本人が萌えてしまったのでは……。平和っていいよね。

財政破綻から身を守るには

火曜日, 11月 23rd, 2010

以下は、wedgeの記事
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財政破綻から身を守るには
30代からの“国に頼らない生き方”(1)財産
2010年08月30日(Mon) WEDGE Infinity 編集部
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財政破綻の悪夢が、現実味を帯び始めてきている。財政再建に必要なのは、歳入の増大と歳出の削減だが、先の参院選では、菅総理の増税発言が波紋を呼び民主党が大敗。消費税増税による歳入の拡大は当面難航が予想される。また政府は7月27日、概算要求に対し一律1割削減の決定を下したが、900兆円を超える莫大な借金を解消するためには、社会保障費にも切り込んだ大胆な歳出の削減が必要なはずだ。しかし、世界一のスピードで高齢化が進むこの国で、高齢者に不利な政策など通るわけもなく、ツケを回される若者の側にも政治を変えるために自ら立ち上がろうという気力は見られない。
 下のグラフは、このまま財政赤字が拡大していった場合、10年余り先で国債残高が家計金融資産を上回ることを試算したものだ。現在、日本の国債は95%が国内で消化されており、「だから大丈夫」という声は根強い。しかし、たった10年余り先に国内で消化しきれなくなる日が訪れるかもしれないのだ。財政破綻が起きた場合、いま30代40代である私たちの世代の生活は、どのような影響を受けるのだろうか。


財政破綻が起きたらどうなる?
 「財政破綻が起これば、国の債務の多くが返済不能となって国債を多く保有する金融機関や年金基金などは行き詰まり、結局国民の金融資産の多くが消えることになります。過剰な国債発行によって経済にばら撒かれたお金の価値も一気に減じて、インフレや金利の高騰によって多くの企業が倒産し、大量の失業者が発生するでしょう。さらに、円安が起こることによって、輸入品が総じて高級品になることもインフレをさらに押し上げる要因となり、輸入に頼って生きている日本人の生活水準を押し下げると予想されます。こうなれば、公務員や多くの労働者、年金生活者などの給与・年金の遅減配が起こるとともに、たとえば10%以上となってもおかしくないインフレによって可処分所得は大幅に目減りすると考えられます」(みずほ総合研究所・チーフエコノミスト・中島厚志氏)
 たとえば、小学生の子どもを2人持つ40歳既婚の男性が、手取り30万円もらっていたとして、可処分所得が20%目減りしたとすれば24万円となる。子どもの教育費や住宅費など家計に余裕がない中でこれだけ大幅な目減りに遭えば、これまで通りの生活を続けていくことは困難になるはずだ。もちろん20%というのは仮定の話だが、財政破綻によるインフレや金利大幅上昇の中では実質的にこれくらい可処分所得が下がることは十分にありうる。
いまのようなデフレの中で、10%以上のインフレなどありえないと思ってはいけない。円安が引き起こす輸入品の値上がりだけでも、私たちの懐を十分に直撃する。ガソリン価格の上昇分が、さまざまな生活必需品の価格に上乗せされ、多くの食材を輸入に頼っている日本では、肉や魚、野菜に至るまであらゆる食料品が軒並み高騰するだろう。運よく職を失わなかったとしても、私たちの生活は相当苦しい状況に追い込まれることが想像される。しかし、それだけでは終わらない。中島氏はさらにこう続ける。
 「国民の生活がこれだけ厳しくなれば、政府が経済政策を最大限発動すべきですが、事態は逆になります。厳しい経済状況にもかかわらず、財政再建のために、大幅な増税と、社会保障関係費や地方交付税も含めた財政支出の大幅な削減が同時に行われるでしょう。補助金によっては支給が停止される場合もあります。仮に、現在の財政赤字44兆円を一気にゼロにしようとすれば、たとえば10%の消費税率引き上げ(約25兆円の増収)とともに、国債費を除いた歳出(71.7兆円)を3割弱(約20兆円)カットする必要があります」
 増税は、言うまでもなく家計をダイレクトに圧迫する。さらに私たちの生活を根本から脅かすのは、社会保障費などの財政支出の大幅な削減だ。年金が削られ、セーフティネットである失業給付なども目減りする。これは、弱者がより厳しい立場に追い込まれることを意味する。また、教育や医療、道路や水道といった生活インフラも、補助金が減らされることで、これまで当たり前のように享受してきたサービスの質の低下は避けられなくなるだろう。
財政再建を進めても、厳しい現実が待っている
 では、財政破綻を回避するために、政府が着実に財政再建を進めていくとしたら、私たちの生活はどのような影響を受けるのだろうか。財政破綻する場合に比べればずいぶんと緩い事態を想像してしまうが、前出の中島氏によれば、そうでもないようだ。
 「今後の少子高齢化の進展を考慮すると、消費税を段階的に上げていき、今後15年ほどで15%程度まで上げることが不可欠です。それに加えて、欧米諸国のように、社会保障の負担・給付の見直しや年金制度の仕組み変更などを通じて自己負担や自助努力の度合いを大きくしていく必要があります」
 円安やインフレ、金利の高騰などが起こらないため、倒産などによる失業率の急激な上昇は抑えることができるものの、消費税や社会保険料の大幅な引き上げによって負担が増える一方、年金などの給付が削減される構図は、長期間で考えれば財政破綻した場合と変わらない。長期間にわたって財政支出が抑えられるので、行政サービスの質の低下も免れない。私たち個々が抱えることになる負担は、対応する時間がある分だけ増え方がゆっくりとはなるものの、結果としては財政破綻する場合とそう違わないのかもしれない。
 国には頼れないこの将来の現実に備え、私たちは今からどのような対策を講じることができるのか。ここでは、「財産」、「健康」、「地縁」の3つに分けて、その自衛策を紹介していこう。
自分の「財産」を守るには
 「万が一、財政破綻が起きることを前提にするのであれば、外貨建ての金融資産をできるだけ分散して持つことが賢明でしょう。ただし、日本円と連動して動いている米ドルではなく、豪ドルやブラジルのレアルなど、円や米ドルと逆の値動きをしている通貨を選んでおきたいところです。また、外貨建て金融商品の他にも、現物である金やプラチナに換えておくのもひとつの手でしょう」(ファイナンシャルプランナー・浅井秀一氏(ストックアンドフロー・代表取締役))
日本円でどんなに資産を持っていたところで、円が暴落して高インフレが発生すれば、その資産価値は大きく毀損してしまう。富裕層の多くは、すでに多額の資産を海外に移しているとも言われ、日本で財政破綻が起きた場合、海外に移すほどの資産を持たない人との経済格差はさらに広がることが予想される。しかし、私たち国民がこぞって海外に資産を移すことは、国債を国内で消化できなくなる事態、つまり財政破綻の引き金を自ら引く行為であることも同時に自覚しておくべきだ。
 では、財政破綻が起きないことを想定した場合、どのような資産運用の方法が効果的なのだろう。
 「名目GDPで見ると、日本経済は1991年~1992年と同じ水準にあることがわかります。このため、国内株式投信を長期で保有しても資産価値は増えてくれなかったわけです。資産運用はドライブに例えるとわかりやすく、まず目的地とそこにたどり着くまでの所要時間(=老後までにいくら必要か)を見積もってから、到達するためのコース(=投資方法)を選び、道路の環境(=世界経済の動向)に合わせてスピードを調節しながら目的地に向かいます。時にはパーキングに入って休む(=投資を控える)ことも必要でしょう」(同・浅井氏)
 そして、「日本の景気はアメリカの景気と連動しているため、アメリカの動向に注目することが大切」と、浅井氏は言う。アメリカの景気はおよそ4年ごとに波を打つ傾向があり、これは大統領選に連動したものであるとのこと。つまり、次の選挙の約1年半前の時期(選挙前年の春)になると、選挙での得票を狙い大規模な景気対策が打たれ、経済が回復していくのである。この繰り返しによって波を打つ景気に、自らの投資行動を合わせればよいということだ。
 また、リスクを回避する方法については、前述の分散投資に積立投資を組み合わせることで効果が上がるという。
 「年金関連法案が成立すれば、2012年1月から、確定拠出年金のマッチング拠出(企業年金に個人で積み増すこと)が可能になります。所得控除の対象にもなるので、これはおそらくブームになるでしょう」(同・浅井氏)
 もちろん、確定拠出年金をリスク性商品で運用した場合、財政破綻に伴う株価暴落等があれば大幅なマイナス運用に陥る可能性もある。だがこれからの時代、何もせずにただ預金を増やしていくだけでは、資産が目減りしていくのを黙って見過ごすことになりかねないのも確かである。

未知の領域に踏み込む日本

月曜日, 11月 22nd, 2010

以下は、読売新聞の記事
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20日発売の英誌エコノミスト(本紙特約)は「未知の領域に踏み込む日本」と題した日本特集を掲載した。

少子高齢化が、日本経済の再活性化やデフレ脱却の大きな障害になっており、日本はこの問題に最優先で取り組む必要があると警告した。
 同誌の本格的な日本特集は、「日はまた昇る」と日本経済の再生に明るい見通しを示した2005年以来だ。
 対照的に今回は、若者が新卒で就職できないと一生厳しい状況が続く「一発勝負」の雇用の現状や、企業に残る階層構造など解決すべき課題は山積していると指摘した。その上、日本の「穏やかな衰退」を食い止めるには生産性の向上や女性の活用など「文化的な革命が必要」と結論付けた。
(2010年11月21日03時04分 読売新聞)