Archive for the ‘経済’ Category

日本経済の今後

金曜日, 4月 5th, 2013

約2か月、書き込みをさぼってしまった。

最近、金融緩和とかで、円安、株高が続いている。今日も、日経平均が500円あまり上げた場面があった。(最終的には200円くらいの上げになったが)
日経平均の今日の終値は12800円くらいだが、今後どうなるのだろうか?
日本経済を根本的に治療するには、年齢構成を是正せねばならない。少子高齢化をなんとかせねばならない。年金支給開始年齢をあげるとか、定年を延長するとかやっているが、労働人口を増やす方策を打たねばならない。その方策として思いつくのは、女性労働力の開拓であるが、この効果にも限界がある。やはり若者の人口を増やさねばならない。そのためには、早婚の奨励と移民が必要である。これをしなければ、日本経済の本当の復活はないだろう。

日本の家電

日曜日, 2月 10th, 2013

ソニー、シャープ、パナソニック等の家電が、韓国のサムソンやLGにやられて、大赤字になった。
過去、造船や鉄鋼が韓国にやられた。これらの産業の次にやられそうな産業は家電なのではなかろうか。だから、家電が韓国にやられることは予想できたはずである。だから、適切な対応を取っていれば、そんなにひどいことにはならなかったであろう。
テレビに関しては、日本の家電メーカーは、K4とかいう高性能のテレビを出して、韓国と対決しようとしているらしい。高機能高価格なのである。この方針が正しいのであろうか。基本機能低価格の方が正しいのではなかろうか。基本的な機能のみを備えたテレビを安く作るのも「技術」である。高機能のテレビを作るのだけが「技術」ではない。
もし、基本機能低価格のテレビが作れなければ、それを作れるような企業を買収すればよい。貿易収支で稼ぐのではなく、所得収支で稼げばよい。

活況呈する日本企業の海外M&A 手元流動性と円高がけん引

金曜日, 6月 8th, 2012

以下は The Wall Street Journal で見つけた記事
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手元流動性の積み上がりと円高により日本の企業は今、過去最大のペースで海外企業の買収を進めている。
丸紅は29日、米穀物3位のガビロン(本社ネブラスカ州オマハ)を20億ドル(約1600億円)の負債を含む総額56億ドルで買収することで合意したと発表した。調査会社ディーロジックによると、これは日本企業による海外企業の買収規模では今年最大のものであり、世界的に見ても7番目に大きい。
この1週間だけでも、日本たばこ産業がベルギーの手巻たばこ大手グリソンを6億ドルで買収すると発表したほか、武田薬品工業もブラジルの中堅製薬会社マルチラブを2億4600万ドルで買収すると発表した。
日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)はこれまで、企業価値に重きを置いたものより「トロフィー資産」の獲得という意味合いが強かったが、最近のM&Aは国内需要の縮小と経済の低迷により収益が圧迫されていることから、企業存亡の恐怖にかられてのものだ、と銀行や企業の幹部らは指摘する。また昨年3月11日の東日本大震災によりサプライチェーン(供給網)の寸断と電力不足を経験したこともあり、日本企業は海外に目を向けるようになった。
顧客企業によるM&A案件の主な融資元となっている、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は「日本企業は海外で勝ち抜くしかないというのがある」としたうえで、「生き死にをかけた戦いをしている」と話す。
ディーロジックによると、日本企業は年初からこれまで、海外企業の買収に340億ドル余りを投じてきている。これは年間の買収額としては過去最高の総額840億ドルを記録した昨年と同じペースだ。ディーロジックによると、2010年の日本企業による海外企業の買収額は世界9位だったが、昨年は世界3位に急伸した。トムソン・ロイターによると、昨年1年間の買収総額はM&Aが勢いづいていた1980年代と90年代初頭のピーク時の3倍近くにまで達した。当時、日本企業はロックフェラーセンターやユニバーサルスタジオといった「トロフィー資産」を競って買収していた。
海外企業のM&Aといった直接投資による配当収入などは経常収支に計上されるため、一連の買収は日本の経常黒字を大幅に拡大させることになる。
企業の手元流動性の積み上がりが買収をけん引する一助となっている。日銀の統計によると、80年代の資産バブルが崩壊した後の数十年間、企業は倹約と債務処理を進めたため、手元に2兆6000億ドルの流動性があるという。これは米国企業の2兆2000億ドルを上回っている。また日本企業は円高による恩恵も受けている。1ドル=80円付近の水準は2年前に比べて、10%近く多くドルを買えることを意味する。
日本企業は海外企業の買収により、英国や中国といった買収に積極的な国の企業よりも多額の資金を世界に提供するサプライヤーとなっている。また、金融危機に対する懸念が根強いことから、世界的なM&Aの規模が年初から現在までで21%減となるなか、日本企業による買収は世界のM&A案件の柱となっている。
しかし最近の買収は80年代後半のケースとは、背景となる日本経済が明確に違う。当時の日本経済は年率4~7%で成長しており、株式や不動産市場は活況を呈していた。
半面、今年は1%前後という貧血気味の成長にとどまる、とエコノミストらは指摘する。円高や高い労働コストと電気料金がソニー、ホンダといった日本の製造業の国際市場での競合性を弱めている。日本企業はガス、石油、採掘業といった事業の海外プロジェクトへの投資を進めている。地下資源を巡る争奪戦が激化しているほか、昨年の原発事故後、原子力発電所が次々と停止されたことから、化石燃料の需要が急増したことが背景だ。国内に目を向けると、日本は高齢化と人口の縮小が進んでおり、これは菓子類から新車に至るまであらゆるモノの需要が減ることを意味している。
日本の内需の縮小は、従来は国内向けで小規模な企業をも海外へ押し出している。例えばアサヒビールの持ち株会社アサヒグループホールディングスや、玩具メーカーのタカラトミーなどだ。タカラトミーは昨年、年間売上高の3分の1にあたる6億4000万ドルを投じて「きかんしゃトーマス」の木製列車玩具の製造・販売権を持つ米玩具メーカーを買収した。
「日本だけでは成長の余地が少ない」とタカラトミーの富山幹太郎社長は話す。
国際取引に長い歴史を持つ企業でさえも、海外企業へあらたに食指を伸ばしている。
三菱商事は、事業に対する支配権の強化に向けて、大手エネルギーや鉱山会社の過半数株式の取得に乗り出し始めている。その第1弾として昨年、インドネシアの天然ガス処理プラントの株式45%を28億ドルで取得したことを発表した。
丸紅が昨年初めから手掛けた海外M&Aは28件で、総額約160億ドルに相当する。こうした案件の多さを受け、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は最近、ガビロンの買収によって丸紅の債務水準に対する懸念が高まる可能性があると警告している。
金融関係者は、こうした日本企業の積極的な姿勢について、日本企業がM&Aに精通し、その手法が成熟化していることを示す証拠の1つだと話す。
過去のM&Aブームでは、多くの日本企業が買収先について慎重に検討していなかったという。以前は過剰な金額を払って資産を手に入れ、結局、企業文化の違いを克服できなかったり、利益を出せず、損失覚悟で売却する結果になっていた。
三菱地所は1989~91年にかけて、ニューヨーク市のロックフェラーセンターの株式80%を2200億円)(当時で為替レートで14億ドル)で取得したが、結局96年に1510億円の投資損失を計上している。
M&Aに関する助言業務を手掛けるGCAサヴィアンのマネジング・ディレクターで、80年代後半から90年代前半に日本の大手行の1つでM&A部門に勤務していた佐山展生氏は、「以前は資金が潤沢で、企業の経営者は本業かどうか関係なしに買いにいった。当時はあまりM&Aとは何か、何が投資対象なのかあまり理解していないまま決断することもあった」と、当時を振り返って語った。
だが今は、条件交渉にも厳しい姿勢で臨み、多くは十分時間をかけて対象企業の選定を行っている、とM&A仲介関係者らは話す。日本の経営者は意思決定のスピードも迅速化し、敵対的買収にも積極的だ。その一例が、アステラス製薬が10年に米医薬品会社OSIファーマシューティカルに対して仕掛けた40億ドルの株式公開買い付け(TOB)だ。
モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所(東京)のパートナーで、M&A専門の弁護士、ケネス・シーゲル氏は、「1980年代から90年代は日本企業は動きが遅く、買収入札に入り込むことができなかった」とし、だが今は「迅速に効率良く、効果的に行っている」と話す。
金融関係者やM&A専門の弁護士によると、高額な案件からうまく撤退できなかったり、買収した外国企業の経営に苦労している日本企業も依然ある。
だが、契約完了前に慰留手当や経営幹部人事を検討するなど、日本の買い手はそうした問題に正面から対処し始めている、と金融関係者らは話す。過去には多くの企業が、そうした措置を軽視していた。
日本人は買収で犯した過去の過ちから多くを学んでいる、とドイツ証券の投資銀行統括本部会長、野本祐司氏は述べ、交渉中の段階から(買収先企業の)新たな上級幹部の人材探しを始めるよう顧客から依頼されることもあるとした。
アサヒグループホールディングスの泉谷直木社長(63)は、泡のあふれるビールジョッキをイメージした金色に輝く本社ビルで取材に応じ、最近では国内よりも海外戦略の検討に多くの時間を割いていると語った。
90%以上を国内需要に依存しているアサヒの売上高は、日本のビール業界全体同様、7年連続で減少している。アサヒの昨年の出荷量は、ピークにあった2001年と比較して23%減少している。
「国内だけでは成長が足りない」。2000年代半ばに国内で2件の買収に携わった泉谷社長はこう述べ、「グローバルな事業構造を作るなかで新しい成長構造を作っていく。その手段としてM&Aをやっていく」とした。
創業123年のアサヒにとって海外投資は何も初めてではない。日本企業のご多分にもれず、同社も80年代後半~90年代初めのM&Aブームに乗じ、グアムのリゾートから、英国やフランスのゴルフ場、パリの三つ星レストランに至るまで相次いで海外企業を買収した。だが以降、そのほぼ全てを売り払っている。利益を上げたかどうかについては、同社はコメントを差し控えるとした。
アサヒの海外ビール事業への投資も首尾よくいっていない。90年代に800億円で現フォスターズ・ブリューイング・グループの前身であるオーストラリアの醸造大手エルダーズIXLの株式20%を取得したが、業績悪化で株価は急落し、7年後に買収価格よりも25%安い値段で手放している。
アサヒはその後、韓国市場に進出し、2000年には同国の清涼飲料大手ヘテ飲料の発行済み株式の20%を約20億円で取得した。ヘテ飲料が05年以来、年間ベースで損失計上を続けていたにもかかわらず、アサヒは09年に同社への出資比率を58%に引き上げた。その1年後、保有株式を1株当たりわずか9ドル(約715円)で売却するとともに、1億1000万ドルに上る債務も譲渡した。
泉谷社長によると、最近は事業のやり方が変わってきている。これまではグローバル化といえば、アサヒの人気商品「スーパードライ」を他の諸国で販売するために単に緩い提携を結ぶことを意味していたという。そのほとんどが少数株式の取得を通じてだ。現在、アサヒは海外で企業全体を買収し経営することによって真に世界的なプレーヤーへの躍進を目指している。
同社は過去3年間、40億ドル近い資金をつぎ込んで海外で7件の買収を行った。11年のニュージーランドの酒類大手インディペンデント・リカーの約13億ドルでの買収をはじめ、オーストラリアとニュージーランド、マレーシアでの清涼飲料メーカー3社の買収(買収総額5億8200万ドル)が含まれた。
アサヒは総売上高最大2兆5000億円(そのうち最大3割は海外)への拡大を目指し、15年までにさらに最大8000億円を投資する用意がある。
また、タカラトミーは初めて海外での買収を実施した。富山社長はタカラと合併する前の旧トミーの海外事業の大半が停止した1980年代終盤のことを鮮明に覚えている。当時、外為法が改正され、急速に円高が進んでゲームは海外で売れなくなった。旧トミー3代目である富山社長は人員を削減し、海外の工場を閉鎖した上、それまで同社売上高の半分以上を占めたこともあった輸出を縮小した。
売上高20億ドルの世界5位の玩具メーカー、タカラトミーもアサヒと同様に現在、国内市場の縮小に直面している。
市場調査会社の矢野経済研究所によると、日本の玩具市場は12年3月期には前年比で約11%縮小したとみられる。
日本では31年連続で子供の数が減っており、国立社会保障・人口問題研究所は、14歳以下の人口は35年までには3分の1減少するとの予想を示している。タカラトミーは06年に国内の競合タカラと合併したが、11年3月までの5年間に売上高は14%減少した。
富山社長は数年前、事業の世界展開を積極的に行う必要があると決心した。社長は、「世界の競争を勝ち抜くために、少なくとも世界3位に躍進する必要がある」と語る。
富山社長は昨年3月11日、「きかんしゃトーマス」のおもちゃを販売する米玩具・乳児用製品会社、RC2コーポレーションの買収を発表した。初の海外企業買収だった。買収資金に充てるため銀行から500億円の融資を調達し、有利子負債額はそれまでの3倍以上に膨らんだ。
富山社長は、過去の事例を見ても、日本企業は買収した海外企業の管理が下手だと認識していると話す。社長は、同社に出資するプライベートエクイティー(株式未公開企業)投資会社のTPGキャピタルに支援を求めた。TPGはタカラトミーに対し、ターゲットの選択からデューデリジェンス、評価に至るまで、買収プロセスを通して段階を追ってガイダンスを提供した。
RC2の買収により、トミーの売上高は23億ドルに拡大する。しかし、世界では依然第5位で、現在世界3位のデンマークのレゴ・グループの売上高に10億ドルほど及ばない。そのため、富山社長はさらに多くの合併・買収(M&A)の機会を模索していく必要があると話す。
一方、トミーは、既に実施した買収の消化に努めている。富山社長はこのところ、トミーとRC2の社員が新しい人形のデザインについて議論を行っていて、東京側は単純な黒い目を主張しているが、米国側は目に輝きを加えたいといって引かない状況だと話す。
富山社長は「われわれは常にぶつかっているが、重要なのは世界の市場に出した時に製品が成功を収めるか失敗するかだ」と話す。「長期的にみると、第1段階に過ぎない」と続けた。
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円高だから、海外企業を買収するときである。

国と地方の借金、個人資産1110兆円上回る?

月曜日, 9月 19th, 2011

以下は、読売新聞の記事
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国と地方の借金、個人資産1110兆円上回る?
読売新聞 9月18日(日)

五十嵐文彦財務副大臣は18日、テレビ朝日の番組に出演し、日本銀行が20日発表する6月末の統計で、国と地方自治体の借金の総額が、国内の個人の金融純資産額を初めて上回る可能性があるとの見通しを示した。

五十嵐氏は「今年の(個人)金融資産は伸びていない」と指摘し、双方の数字が「クロスする可能性がある」と述べた。

五十嵐氏が指摘したのは、日銀が発表する2011年4~6月期の資金循環統計(速報値)で、個人の金融資産から負債を引いた「純資産」と、国・地方の中長期債務残高に政府短期証券などを加えた「借金の総額」についてだ。
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借金が貯金を超える日が来るようである。もうすこし先かと思っていた。早く、消費税を上げねばと思うのだが、、。

IMFのGDP予測(2016年まで)

土曜日, 8月 13th, 2011

以下は、今年の5月に発表されたIMFの国別GDPの予測である。どれくらい当たるものなのだろうか?

ドイツの10年:輸出テコにG7で首位

金曜日, 2月 11th, 2011

以下は、JBPRESSで見つけた記事
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2011.02.11(Fri) The Economist

G7諸国の中で、過去10年間に最も実績を上げたのはどこの国か? そして、その国は現状を維持していけるのか?
ユーロ圏は足を引きずって歩いているかもしれないが、最大加盟国は疾走している。ドイツは2010年に過去20年間で最も速いペースで成長した。3.6%という成長率は、昨年の国内総生産(GDP)成長率が2.9%だった米国を含む大半の先進国の上を行く。
懐疑論者は、ドイツの力強い回復は単に、景気後退期に生産高が他国よりも激しく落ち込んだ反動に過ぎないと主張する。各国の相対的なパフォーマンスを的確に評価するためには、もっと長期、例えば10年間の動向を検証する必要があるだろう。
一見すると、10年間の数字は、ドイツが出遅れているという一般的な見方を裏づけているかに見える。何しろドイツのGDPは過去10年間で年平均わずか0.9%しか拡大しておらず、伸び率は米国のたった半分だ(まだ通年のGDP統計を公表していない国については、本誌=英エコノミスト=が各種機関から聞き取り調査した2010年の推計値を使った)。
だが、これはミスリーディングだ。米国経済の方が成長ペースが速かった一因は、移民の流入と高い出生率のおかげで年間1%近く人口が増加してきたことだ。対照的に、ドイツの人口は減少している。これは大きな意味を持つ。なぜなら、繁栄のより正確な基準となるのは、GDP成長率ではなく、1人当たりGDP成長率もしくは平均所得だからだ。
この基準では、かなり違ったランキングになる。過去10年間で、ドイツの1人当たりGDP成長率は先進国クラブであるG7の中で最も高かった。米国は5位どまりだ(図参照)。

1人当たりGDPは、近年の景気後退にも新たな光を投げかける。2007年第4四半期以降の1人当たりGDPの落ち込みを見ると、ドイツの景気後退は米国ほど深刻でなかったことが分かる。さらにドイツは昨年、G7の中で唯一、1人当たりGDPを2007年を上回る水準まで回復させている。
ベルリンがベイエリアを追い越す
ドイツはほかにも複数の経済指標で高いスコアを叩き出している。同国はG7の中で2010年の失業率が2001年実績を下回ったたった2カ国のうちの1つだ。6.6%という現在の失業率(国際標準の定義に基づく)はG7中2番目に低く、米国の9.4%*1よりかなり低い。今では旧東ドイツの失業率が初めてカリフォルニア州を下回っている。
ドイツの官民両セクターの財政状態も、ずっと健全な状態にある。これは主に、保守的な住宅ローン制度が住宅および信用バブルを回避する助けになったためだ。家計の債務は過去10年間で可処分所得の115%から99%に減少した。同じ時期に英国の家計債務は117%から170%に跳ね上がっており、米国も100%から128%に上昇した。
さらにドイツは、財政赤字ならびに対GDP政府債務が最も少ない。図に示した基準(1人当たりGDP成長率、失業率、財政赤字、そして家計の債務)に基づくと、ドイツはこの10年間でG7の中で最も高い成果を上げてきたことになる。国際通貨基金(IMF)は、今後5年間もドイツの1人当たりGDPが最も速いペースで拡大すると予測している。
しかし、潜在的な2つの問題がこのバラ色の未来図に水を差す。1つは、ドイツが突出するもう1つの数値、すなわち、2010年にGDP比5%に相当した同国の巨額経常黒字だ。ドイツ人自身はこれを自国経済力の天晴れぶりのさらなる証拠と見なしている。

中国という競争相手をよそに、ドイツは2000年以降、G7の中で唯一、世界の輸出シェアを落とさなかった。純輸出の増加は過去10年間のドイツのGDP成長全体の少なくとも3分の2を担っており、この割合は他の経済大国よりずっと高い。
日本の純輸出はGDP成長率の半分を担った程度で、中国に至ってはわずか10分の1を占めるに過ぎない。
これは持続可能な成長の原動力とは言えない。これまで通りにGDPに貢献し続けるためには、ドイツの貿易黒字は毎年増加していく必要がある。そうなればドイツはますます、保護主義の反発に見舞われるリスクと他国の景気後退に脆弱になる。

また、黒字の増加が続くことは現実的でもない。ドイツの貿易黒字は、その他先進国の犠牲の上に膨れ上がった面がある。過去10年間で増加した黒字額の5分の2は、新興国との貿易で生じたものだ。
実際、過去10年間で、ドイツの対米貿易黒字は米国のGDPに対する比率で収縮した。だが、ドイツは確かに他の欧州連合(EU)加盟国に対して多額の黒字を出しており、EUでは今後数年間で需要が大幅に減退すると見られている。

ドイツの対外黒字は、対外的な強さと同じくらい、慢性的に弱い内需を反映したものだ。長引く賃金抑制と高い家計貯蓄率の影響で、ドイツの消費者支出は過去10年間で年平均わずか0.3%しか伸びていない。
ドイツのように高齢化が進む国は、労働力が縮小するに従い、将来の年金給付の原資となる外国資産の蓄えを築くために、投資する以上に貯蓄をすべきだ(つまり、経常黒字を出すということ)。

だが、ドイツの対外黒字は大きすぎる。また、その多くが米国のサブプライム債券やギリシャ国債をはじめとしたお粗末な投資先につぎ込まれた。

2つ目のドイツの大きな弱点は、生産性の伸びが比較的緩やかなことだ。製造業の生産性は国際基準で見て高いものの、サービス部門では後れを取っている。煩雑な規制が競争を制限していることがその一因だ。

過去10年間は、緩やかな生産性の伸びは、2003~05年に実施された労働市場改革が功を奏してより多くの人が働くようになったことで補われた。だが、今後数年は、ドイツの労働力人口は総人口比で縮小していく。生産性の伸びが上向かない限り、1人当たりGDP成長率は鈍化する。

この10年間、ドイツがG7リーグの中でトップに立ったのは、主に同国が信用バブルをうまく回避したからだ。だが次の10年も現在のパフォーマンスを維持していくためには、国内消費とサービス部門双方の活性化を図る必要がある。

朗報は、昨年のドイツの成長の大半が、輸出でなく、内需から来たことだ。企業投資が先導的な役割を果たしたが、第4四半期には実質消費者支出が前年比2%近くも伸びた。ほぼ20年ぶりの低さとなった失業率は恐らく今年賃金を押し上げ、家計が所得のより多くを消費に回すのを後押しするだろう。

このような「ドイツ製」の景気回復は、同国がペースを緩めず成長し続けることを可能にするはずだ。
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ドイツが元気なようだ。

急速な高齢化で日本は「逆高度成長」に

土曜日, 12月 4th, 2010

以下はJBpress(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4973)で見つけた記事
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急速な高齢化で日本は「逆高度成長」に
古いシステムを守っていると下り坂を転げ落ちる
2010.12.01(Wed) 池田 信夫

JBpressが邦訳して紹介している英エコノミスト誌の日本特集は、人口問題に焦点を合わせている。
ここで指摘されていることは、かねて日本でも言われてきたが、「少子化対策」と称して子ども手当で「産めよ増やせよ」を奨励したり、後期高齢者の医療費を増やしたりする場当たり的な政策が続けられてきた。
エコノミスト誌も指摘するように、こういう政策は誤りである。
高度成長は「奇蹟」だったのか
高齢化そのものを止めることは困難だが、その悪影響を減らすことはできる。そのために必要なのは、まず戦後日本の高度成長を支えたのが人口ボーナスだったという事実を認識し、その上で、現在は逆に歴史上にも例のない速度で進んでいる高齢化への対策を立てることだ。
年率10%近い経済成長率が20年近く続いた高度成長は「日本の奇蹟」として知られているが、最近ではそれが本当に「奇蹟」だったのかどうかを疑問視する研究も多い。
戦争で日本の資本ストックは壊滅的な打撃を受けたので、1人あたりGDP(国内総生産)は半減した。これが1970年までに先進国の平均程度に追いついたが、図1のようにこれは戦前からのトレンドを延長したものに近い。


図1 1870~2003年の日・英・米の1人あたりGDPの推移(縦軸は対数目盛)
(出所:世界銀行など)

GDPが急速に増えた最大の原因は、人口が増えたことだ。1945年に7200万人だった日本の人口は、70年には1億500万人と1.45倍になった。この間に実質GDPは約10倍になっているので、その一部は人口成長率で説明できるわけだ。
農村から都市への人口移動が高度成長をもたらした
残りのうち、かなりの部分は農村から都市への人口移動で説明できる。
図2は成長率と農村から都市への人口移動率を重ねたものだが、70年代まではほぼ重なっている。80年代以降は人口移動が減って成長率も下がったが、成長率が上方に乖離している。


図2 実質GDP成長率と農村から都市への人口移動率(1955年を100とする)
(増田悦佐『高度経済成長は復活できる』より)
つまり高度成長は、急速な人口増加と、それによって農村の若者が都会に出ていったことによってかなり説明できるのだ。
したがって70年代に日本が到達した成長率が、成長理論で言う「定常状態」で、80年代にそれを上回るバブルが発生し、90年代に消滅したと見ることができる。
つまり、現在の低成長は定常状態に近いので、これを大きく引き上げることは難しい。むしろ労働人口が急速に減ることを考えると、マイナスが大きくなる。過去10年の実績を見ると、日本の資本蓄積と労働人口の減少はほぼ等しい。
もう1つの影響は、労働人口が減るために消費が減ることだ。高度成長期のエンジンになったのは、都会に出てきた若者が新しい耐久消費財を買う旺盛な消費意欲だったが、これも高齢化によって衰える。しかも、個人金融資産の3分の2は60歳以上が持っているので、新しい投資に向かわないで預貯金が増える。
要するに、かつて高度成長をもたらした人口ボーナスがなくなるばかりでなく、高齢化と労働人口の減少によって、こうした要因がすべて逆転し、労働人口と消費が減り、都市の高齢化でエネルギーが失われる「逆高度成長」とも言うべき現象が起こるのだ。

ただ、GDPが下がっても、人口が減少するので1人あたりGDPはマイナスにはならないだろう。むしろ過密な都市が住みやすくなるかもしれない。
しかし問題は、所得が均等に分配されないことだ。以前の記事でも紹介したように、日本の社会保障は貧しい若者から豊かな高齢者に所得を移転しており、これから高齢化が進むと、この傾向はさらに激しくなる。
都市から農村へ、若者から老人への所得移転を止めよ
経済情勢は予測しにくいが、人口動態はかなり正確に予測できる。したがって対策もはっきりしている。
成長率は「資本蓄積率+労働投入率+生産性上昇率」で決まるので、前述のように資本蓄積と労働投入が打ち消し合うと、生産性上昇率が成長率にほぼ等しくなる。したがって労働人口減少の負の影響を小さくするには、生産性を高めることが重要だ。
特に労働生産性が低いのは、終身雇用などの硬直的な雇用慣行のために、生産性の低い古い企業から新しい企業に人材が移行することが困難だからである。
また年功序列の賃金体系も、働く若者の生み出した所得を中高年に移転し、既存の社員の雇用を守るために新卒の採用が減らされている。おかげで今年の大卒内定率は6割を切ったと言われる。これも老人の既得権のために若者を犠牲にするシステムだ。
ところが民主党政権は、労働者派遣法の改正によって硬直的な労働市場をさらに硬直化させ、来年度予算でも社会保障関係費を聖域にして1.3兆円の「自然増」を容認している。こういうバラマキ福祉のツケは、すべて若者に回るのだ。
高度成長期に人口が増え、特に都会の若者が増えた時代には、年功序列の賃金体系は安い若年労働力を調達するのに便利で、彼らが人口の大部分を占める時代には、今のような賦課方式の年金制度も負担が軽かった。
しかし今、逆高度成長によって、この歯車がすべて逆に回り始めている。
日本が上り坂だったころは、無能な政治家でもよかった。政治なんかなくてもよかったのだ。しかし、下り坂を下るのは、上るよりはるかにむずかしい。
成長率の高い都市から低い農村へ、生産性の高い若者から低い老人に所得を移転する政策をやめ、年功序列をやめて財政負担を均等化する必要がある。
それを避けて過去の成功体験にしがみついていると、日本は坂道を転がり落ちるだろう。

必要なのは、明治維新ではなく、1940年体制との訣別

月曜日, 11月 29th, 2010

以下は、ライブドアで見つけた記事
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逍花 提供:月明飛錫
2010年11月29日02時32分

今日、11ヶ月間続いた『龍馬伝』が、最終回を迎えた。一般的にはわりと盛り上がっていたようだが、個人的には、いまひとつ入り込めないところがあった。

なぜなのだろうと考えてみたところ、いまの日本に求められているのは、明治維新ではないと感じているからだ、という結論に至った。

例えば、大政奉還後、慶應3年11月に、新政府の基本方針を示すために坂本龍馬が自ら書いたと言われている「新政府綱領八策」。日本を近代化することによって世界国家の仲間入りを果たすという、明治維新の原点が示されている。

こちらが実物の画像↓
国立国会図書館「史料に見る日本の近代-新政府綱領八策」

簡単にいうと、第1義と第2義では人材の登用、第3義では外交、第4義では憲法の制定、第5義では議会の設置、第6義では陸海軍の設置、第7義では近衛兵、第8義では為替レートについて書かれている。

今の日本では、ここに書かれていることは、実現されている。少なくとも、生まれながらの身分が問われて、何かの職業につけない人はいないはずだ。封建制から民主主義への転換はすでに終り、家父長制が強かった明治時代と比べても、いまの日本人は、はるかに自由を謳歌している。

しかし、今の日本は閉塞感に覆われており、イギリスのエコノミスト誌に、「東のアルゼンチンになる」、「イースター島になる」と書かれても、正面切って反発する人は少ないように見受けられる。むしろ、衰退国としての将来を、甘んじて受け入れている人が多いのではないだろうか。

日本の開国は、移民と一部の農作物の輸入を除くと、制度的にはある程度行われているといえる。それでも日本人が内向き志向になり、リスクをとらなくなった理由は何かと考えるべきだろう。

私は、明治以降の日本には、明治維新に匹敵する転換点があったと考えている。それは、野口悠紀雄さんのいう「1940年体制」である。

終身雇用や年功序列を特徴とする日本型企業、間接金融中心の金融システム、平等主義などは、日本特有の社会・経済システムであるとしばしば考えられている。しかしこれらは、昔から存在していたのではなく、総力戦遂行という特定の目的のために導入された特殊なシステムだった。それ以前の日本は、株主優先の会社、非終身雇用、直接金融中心であった。そして、第二次世界大戦に勝つための「1940年体制」という国家総動員体制は戦後も続き、それが高度経済成長期をささえ、さらにはそれが現在の日本経済の足を引っ張る要因になっている。これが、野口悠紀雄さんの著作『1940年体制 さらば戦時経済』の主張だ。

戦争遂行という国策のためには、「利益」よりも「生産」が重視された。儲からないから、兵器は作りません、では戦えない。重要な資源を国が統括して、戦争遂行のために配分した。日本の製造業の大きな特徴である下請制度も、軍需産業の増産のための措置として導入された。今では、大企業を中心とした企業グループが、1つの企業のようになっている。

戦後は、1940年体制によって確立された金融システムが、基幹産業と輸出産業に資金を重点的に配分することによって産業構造を大きく変化させた。これらの金融システムは、大企業と金融機関中心に組み立てられており、貯蓄の供給者である家計は、本来得られたはずの利子所得を得られなかった。それでも高度成長期は、全体的に賃金水準が上昇したため、家計に経済成長の果実が還元された。

このことは「会社中心主義」につながり、多くの「会社人間」を生み出し、彼らは会社と運命共同体となり、企業の存続が最重要の課題になった。

現代では、IT化とグローバル化で、これまでのビジネスモデルが陳腐化し、新しい産業への人材供給、企業間での人材移動の必要性が高まっているにもかかわらず、人材の流動化を円滑に行うような政策は実行されていない。これは、1940年体制の基本的な理念である、「生産優先主義」と「競争の否定」から脱却できていないのが大きな理由なのではないだろうか。

「生産優先主義」とは、生産力の増強がすべてに優先すべきであり、それさえ実現されれば、様々な問題が解決されるという考えである。

競争の否定」は、この体制が、あるひとつの目的のために国民が一致団結して働くことを目的としているため、チームワークと成果の平等配分が重視され、競争は否定される傾向にあることだ。産業でも会社でも、脱落者を発生させないことが重視された。

「経済成長」という総力戦でうまく機能したシステムは、「変化」に対応できず、閉塞状況に陥っている。今の日本の将来を描くために必要なのは、「1940年体制」を脱ぎ捨てることだ。
日本が明治新国家を建設したとき、近代化を進め世界の大国と肩をならべるという目標があった。1960年代の高度成長期にも、夢があった。

今の日本では、残念ながらそうした夢を見出せないでいる。しかしグローバルに見ると、「古い企業から新たな企業へ」、「製造業から知識産業へ」、「組織から個人へ」の移行が始まりつつある。

こうした環境の変化をふまえ、「生産優先主義」と「競争の否定」から訣別し、「消費者優先社会」を実現するべきだろう。

財政破綻から身を守るには

火曜日, 11月 23rd, 2010

以下は、wedgeの記事
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財政破綻から身を守るには
30代からの“国に頼らない生き方”(1)財産
2010年08月30日(Mon) WEDGE Infinity 編集部
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財政破綻の悪夢が、現実味を帯び始めてきている。財政再建に必要なのは、歳入の増大と歳出の削減だが、先の参院選では、菅総理の増税発言が波紋を呼び民主党が大敗。消費税増税による歳入の拡大は当面難航が予想される。また政府は7月27日、概算要求に対し一律1割削減の決定を下したが、900兆円を超える莫大な借金を解消するためには、社会保障費にも切り込んだ大胆な歳出の削減が必要なはずだ。しかし、世界一のスピードで高齢化が進むこの国で、高齢者に不利な政策など通るわけもなく、ツケを回される若者の側にも政治を変えるために自ら立ち上がろうという気力は見られない。
下のグラフは、このまま財政赤字が拡大していった場合、10年余り先で国債残高が家計金融資産を上回ることを試算したものだ。現在、日本の国債は95%が国内で消化されており、「だから大丈夫」という声は根強い。しかし、たった10年余り先に国内で消化しきれなくなる日が訪れるかもしれないのだ。財政破綻が起きた場合、いま30代40代である私たちの世代の生活は、どのような影響を受けるのだろうか。


財政破綻が起きたらどうなる?
「財政破綻が起これば、国の債務の多くが返済不能となって国債を多く保有する金融機関や年金基金などは行き詰まり、結局国民の金融資産の多くが消えることになります。過剰な国債発行によって経済にばら撒かれたお金の価値も一気に減じて、インフレや金利の高騰によって多くの企業が倒産し、大量の失業者が発生するでしょう。さらに、円安が起こることによって、輸入品が総じて高級品になることもインフレをさらに押し上げる要因となり、輸入に頼って生きている日本人の生活水準を押し下げると予想されます。こうなれば、公務員や多くの労働者、年金生活者などの給与・年金の遅減配が起こるとともに、たとえば10%以上となってもおかしくないインフレによって可処分所得は大幅に目減りすると考えられます」(みずほ総合研究所・チーフエコノミスト・中島厚志氏)
たとえば、小学生の子どもを2人持つ40歳既婚の男性が、手取り30万円もらっていたとして、可処分所得が20%目減りしたとすれば24万円となる。子どもの教育費や住宅費など家計に余裕がない中でこれだけ大幅な目減りに遭えば、これまで通りの生活を続けていくことは困難になるはずだ。もちろん20%というのは仮定の話だが、財政破綻によるインフレや金利大幅上昇の中では実質的にこれくらい可処分所得が下がることは十分にありうる。
いまのようなデフレの中で、10%以上のインフレなどありえないと思ってはいけない。円安が引き起こす輸入品の値上がりだけでも、私たちの懐を十分に直撃する。ガソリン価格の上昇分が、さまざまな生活必需品の価格に上乗せされ、多くの食材を輸入に頼っている日本では、肉や魚、野菜に至るまであらゆる食料品が軒並み高騰するだろう。運よく職を失わなかったとしても、私たちの生活は相当苦しい状況に追い込まれることが想像される。しかし、それだけでは終わらない。中島氏はさらにこう続ける。
「国民の生活がこれだけ厳しくなれば、政府が経済政策を最大限発動すべきですが、事態は逆になります。厳しい経済状況にもかかわらず、財政再建のために、大幅な増税と、社会保障関係費や地方交付税も含めた財政支出の大幅な削減が同時に行われるでしょう。補助金によっては支給が停止される場合もあります。仮に、現在の財政赤字44兆円を一気にゼロにしようとすれば、たとえば10%の消費税率引き上げ(約25兆円の増収)とともに、国債費を除いた歳出(71.7兆円)を3割弱(約20兆円)カットする必要があります」
増税は、言うまでもなく家計をダイレクトに圧迫する。さらに私たちの生活を根本から脅かすのは、社会保障費などの財政支出の大幅な削減だ。年金が削られ、セーフティネットである失業給付なども目減りする。これは、弱者がより厳しい立場に追い込まれることを意味する。また、教育や医療、道路や水道といった生活インフラも、補助金が減らされることで、これまで当たり前のように享受してきたサービスの質の低下は避けられなくなるだろう。
財政再建を進めても、厳しい現実が待っている
では、財政破綻を回避するために、政府が着実に財政再建を進めていくとしたら、私たちの生活はどのような影響を受けるのだろうか。財政破綻する場合に比べればずいぶんと緩い事態を想像してしまうが、前出の中島氏によれば、そうでもないようだ。
「今後の少子高齢化の進展を考慮すると、消費税を段階的に上げていき、今後15年ほどで15%程度まで上げることが不可欠です。それに加えて、欧米諸国のように、社会保障の負担・給付の見直しや年金制度の仕組み変更などを通じて自己負担や自助努力の度合いを大きくしていく必要があります」
円安やインフレ、金利の高騰などが起こらないため、倒産などによる失業率の急激な上昇は抑えることができるものの、消費税や社会保険料の大幅な引き上げによって負担が増える一方、年金などの給付が削減される構図は、長期間で考えれば財政破綻した場合と変わらない。長期間にわたって財政支出が抑えられるので、行政サービスの質の低下も免れない。私たち個々が抱えることになる負担は、対応する時間がある分だけ増え方がゆっくりとはなるものの、結果としては財政破綻する場合とそう違わないのかもしれない。
国には頼れないこの将来の現実に備え、私たちは今からどのような対策を講じることができるのか。ここでは、「財産」、「健康」、「地縁」の3つに分けて、その自衛策を紹介していこう。
自分の「財産」を守るには
「万が一、財政破綻が起きることを前提にするのであれば、外貨建ての金融資産をできるだけ分散して持つことが賢明でしょう。ただし、日本円と連動して動いている米ドルではなく、豪ドルやブラジルのレアルなど、円や米ドルと逆の値動きをしている通貨を選んでおきたいところです。また、外貨建て金融商品の他にも、現物である金やプラチナに換えておくのもひとつの手でしょう」(ファイナンシャルプランナー・浅井秀一氏(ストックアンドフロー・代表取締役))
日本円でどんなに資産を持っていたところで、円が暴落して高インフレが発生すれば、その資産価値は大きく毀損してしまう。富裕層の多くは、すでに多額の資産を海外に移しているとも言われ、日本で財政破綻が起きた場合、海外に移すほどの資産を持たない人との経済格差はさらに広がることが予想される。しかし、私たち国民がこぞって海外に資産を移すことは、国債を国内で消化できなくなる事態、つまり財政破綻の引き金を自ら引く行為であることも同時に自覚しておくべきだ。
では、財政破綻が起きないことを想定した場合、どのような資産運用の方法が効果的なのだろう。
「名目GDPで見ると、日本経済は1991年~1992年と同じ水準にあることがわかります。このため、国内株式投信を長期で保有しても資産価値は増えてくれなかったわけです。資産運用はドライブに例えるとわかりやすく、まず目的地とそこにたどり着くまでの所要時間(=老後までにいくら必要か)を見積もってから、到達するためのコース(=投資方法)を選び、道路の環境(=世界経済の動向)に合わせてスピードを調節しながら目的地に向かいます。時にはパーキングに入って休む(=投資を控える)ことも必要でしょう」(同・浅井氏)
そして、「日本の景気はアメリカの景気と連動しているため、アメリカの動向に注目することが大切」と、浅井氏は言う。アメリカの景気はおよそ4年ごとに波を打つ傾向があり、これは大統領選に連動したものであるとのこと。つまり、次の選挙の約1年半前の時期(選挙前年の春)になると、選挙での得票を狙い大規模な景気対策が打たれ、経済が回復していくのである。この繰り返しによって波を打つ景気に、自らの投資行動を合わせればよいということだ。
また、リスクを回避する方法については、前述の分散投資に積立投資を組み合わせることで効果が上がるという。
「年金関連法案が成立すれば、2012年1月から、確定拠出年金のマッチング拠出(企業年金に個人で積み増すこと)が可能になります。所得控除の対象にもなるので、これはおそらくブームになるでしょう」(同・浅井氏)
もちろん、確定拠出年金をリスク性商品で運用した場合、財政破綻に伴う株価暴落等があれば大幅なマイナス運用に陥る可能性もある。だがこれからの時代、何もせずにただ預金を増やしていくだけでは、資産が目減りしていくのを黙って見過ごすことになりかねないのも確かである。

年金の考え方

火曜日, 8月 17th, 2010

今の年金の考え方は、以下の通りである。こんだけ老人がいる。その老人に年金を支給するには、これだけ金がかかる。だから、その金額を勤労者から取るには、一人の勤労者からこれくらい徴収せねばならない。(足りない分は、税金で補う。)
これは、受給側から支給側に向かって計算する考えであるが、その逆の考えもあってしかるべきである。支給側から受給側に向かって計算するという考えである。
すなわち、これだけ勤労者がいる。その勤労者が支払える総金額はこれこれである。その金額を最高齢者側から支給してゆくと、何歳まで支給できる。たとえば、70歳まで支給できる。だから、70歳までの人は、働いてください。
この考えを一般化すると、支給と受給の境目の年齢と、支給金額、受給金額を変数として、方程式を立ててそれを解いて、どの解がよいか、国民が選びという話になるであろう。
もうそういうことは、どこかでやっているのかもしれないが。